2.21.2012

*スウィート・ソウル的恋愛談義* スペシャル座談会 vol.2





バレンタインデーを数日後に控えた2012年2月某日、都内某所、(自称)スウィート・ソウルと恋愛に詳しいブルース婦人部・男子部メンバーが自身の甘くて苦い経験に妄想を絡めつつ、恋愛談義に花を咲かせました。


【参加者】 
のびちゃん:恋愛も音楽もリズムのキープが要です。
      中野カメオ:強気な奥手。根拠の無い自信家。

      aoi:ビター・スウィートな恋愛指南ならお任せを。
                   レジェンド・バディ:酸いも甘いも噛み分けた恋愛兄貴。(電話参加)
【立会人】スウィート・ソウルにも恋愛にもたいして詳しくないブルース婦人部・女子部3人



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女子部:早速ですが、本日は皆さんご自慢のスウィート・ソウル盤をお持ちいただきましたので、それらを聴きながら甘くて熱い恋愛談議をしていただきたいと思います。

のびちゃん(以下のび):はい喜んで。ビールを飲みながらでいいですか。
(ビールが運ばれてくる・カンパーイ)
1曲目はどうしますか。



aoi(以下もaoi):まずは直球勝負でしょう。


Terry Huff & Special Deliver  "That's When Love Hurts"   "Lonely One"













中野カメオ(以下カメオ):むふっ!もう、なんというか・・ああっ!(身悶え)


のび:これ程強烈な裏声を聴くと、自然にこう・・手が・・(身悶え)


aoi:この張り上げた時の切なさは尋常じゃないです。こう・・あふっ!(身悶え)


女子部:冒頭から雰囲気がおかしくなってきましたが、大丈夫でしょうか。


カメオ:以前、知り合いの女の子に頼まれてCDの選曲をしたんですが、「女の子は切ない曲が好き」という昭和的な先入観でコレを入れた事がありますね。


女子部:反応はいかがでした?


カメオ:反応なしでした。


のび:いわゆる空回りですね。


aoi:つき合ってもいないのに、捨てないで!と懇願するイメージです。


のび:曲を選んだ側だけが妄想に身悶えするという・・・


カメオ:ひとりショート・コントです。


aoi:ご愁傷さまです。


カメオ:それ以来女の子はスウィート・ソウルが苦手なんじゃないか、という深い疑念が生まれたわけです。もう女の子なんて誰も信じることができません。そう、誰も。


女子部:・・・どうしちゃったんでしょうか。しかし女の子でもこういうのが好きな人もいるんじゃないですか。


カメオ:僕は信じません!もう誰も・・・


aoi:裏声が主流ですからね。女の子は感情移入しにくいかもしれません。


のび:女の子は甘いものが好き、というのは嘘だったんですね。


女子部:それとこれとは違います。


aoi:甘いだけじゃダメなのよ、ということじゃないでしょうか。


カメオ:ケーキを食べながら「甘くなくておいしい!」とか言っちゃうあの感じですね。


のび:女ゴコロは複雑です。


女子部:何の話をしてるのかわかりません。
では、スウィート・ソウルじゃ女の子は落とせないという事なのでしょうか?


カメオ:そもそもが男目線であることは確かです。
周囲に気兼ねなく身悶えするためにも出来れば独りで聴きたいところです。



のび:スウィート・ソウルは “とびきり甘い” のと “やたらと切ない” のに分かれますが、女の子に聴かせるなら前者です。


カメオ:テリー・ハフは完全に後者です。


aoi:1曲目の選択を間違えました。


女子部:では切なさは堪能したので、次からは女の子が落ちる“甘い”のをお願いします。


aoi:では、わたくしラブ・マスターaoiが未だ負け知らずのこの曲なんていかがでしょう。

Charlie Wilson (GAP Band)   “Without You”



(一同、顔を見ながら静かに聴き入る)




aoi:猛烈に恥ずかしいです。新種のプレイのようです。




カメオ:確かに女性を口説くためにあるような曲です。


のび:確かに甘いのですがスウィート・ソウルではないですね。
これは女性を落とす “道具” としてこそ有効に機能するものです。


aoi:まさにツール(道具)・ミュージック!


カメオ:とりあえずメモって帰ります。

First Class "Me&Gemini"



カメオ:幾多の失敗の結果、女の子の警戒を解くにはこれくらいの明るさとテンポが必要というところまで辿りつきました。甘いけど爽やか。


aoi:見事なスウィート・ダンサーですね。


のび:これなら女の子も大丈夫でしょう。しかしその先に進む“ひと押し”が足りません。


カメオ:そこが私の愛しきウィーク・ポイントです。

The Stylistics “You are Everything”













aoi:やはりメジャーならではの強さがあります。今一度の再評価が必要です。


のび:(悶えながら)ほんのり切なくも圧倒的に甘みが勝ってます。

(一同裏声でサビを合唱)



女子部:これはダイアナ・ロスとマービン・ゲイも歌っていますが、ということはあれもスウィート・ソウルですか?


aoi:あれは全然違います。美しいけど狂おしさに欠けます。


のび:結婚式でかけるならダイアナ&マービンですが、二人っきりなら断然こっちです。


カメオ:スタイリスティクスは日本のカラオケにも入ってますからね。
以前 “愛が全て” を全力ファルセットで歌って、周囲に思い切り引かれたことがあります。


女子部:それを聞いて急に切なさが勝ってきました。

 
Blue Magic   “Side Show”








のび:何度聴いても必要以上にドリーミーですね。


aoi:この曲大好きなんで好きな女の子に必ず聴かせるんですが、何故かいつも反応が薄いんですよ。頼まれなくとも歌の背景まで説明するんですが。


女子部:どんな歌詞なんですか?


aoi:大きな劇場の横の見世物小屋で繰り広げられる悲恋の物語という感じでしょうか。


カメオ:永年愛聴してきましたがそういう歌だったのかと、本日初めて認識しました。


のび:モテ要素が薄まりました。以後これは独り聴きします。

The Moments    “Not On The Outside” “Love On A Two Way Street”




aoi:スウィートといったらやはりモーメンツは外せないですね。


のび:私のソウル・ブラザー、レジェンド・バディ氏はバーでこれがかかると毎回号泣しながらカウンターで絶唱します。


女子部:何かあったんでしょうか。


カメオ:ではちょっと電話して訊いてみましょう。
(バディ氏へ電話)兄貴、ご無沙汰です。



レジェンド・バディ(以下バディ):どうも。何事でしょうか?


カメオ:突然ですが、モーメンツの Two Way Street について、一言。


バディ:え!?モーメンツ!?もぉーめんつぅ!?もォ…(ゲホゲホっ)
(ツー・ツー・ツー)



カメオ:切れちゃいました。


aoi:・・・次、行きましょうか。


のび:次は当然モーメンツ改めレイ、グッドマン&ブラウンでしょ。

 
Ray,Goodman&Brown    “Inside Of You”  

“A Part Of You”“Special Lady”  





カメオ:メンバーは同じなのに空気感が大分違いますね。


のび:音質がクリアになって、おススメしやすくなりました。


aoi:否定する要素がひとつもありません。


カメオ:酔っぱらった帰り道はかなりの確率でこれを聴きますね。うっとりon西武線です。


aoi:素晴らしさの奥で甘みより切なさが上回ってる気がしますね。


女子部:ってことは、やはり女の子にはモテないってことですね。


一同:・・・・・・(ここでバディ氏からコール・バック)


バディ:先ほどは失礼しました。モーメンツは思い入れがありすぎて、意識が遠のいてしまいました。


カメオ:怖いから過去はもう聞きません。モーメンツのほかにお薦めのグループは?


バディ:今の気分はブラック・アイヴォリーですね。特にデビュー盤が好きです。


のび:あ、それならここにあります。聴いてみましょう。


Black Ivory    "Don’t Turn Around" 




カメオ:うひぃ!狂おしい!いいっ!


aoi:安定感もあるのにやたら若いんですよね。このグループ。


のび:この時は16~17歳くらいでしょう。


カメオ:青いけどキッズではない。そこに悶々としたやるせなさがありますね。
グッド・チョイスです。さすが兄貴。今日はありがとうございました。



バディ:え?それだけ? 好きなスウィート・グループならあと40~50組はありますよ。エシックスでしょ、デルフォニックス、あとテンプリーズにダイナミクス、フォー・ミンツ・・・


カメオ:では失礼しまぁす。(プチッ。ツー・ツー・ツー)


aoi:それでは続けましょう。


のび:では、満を持して私の愛するこのグループを。


The Whatnauts   "I’ll Erase Away Your Pain"



カメオ:OH!ホワットノウツ!


aoi:なんとまぁ・・狂おしい!


のび:官能度の押しの強さがハンパないので、女の子とは聴けないです。


女子部:じゃ、ダメじゃん。


のび:続いてはこれ。

The Ultimates  "Loving You Is Easy " 



カメオ:とろけます。というか、既に半分以上とろけています。


のび:これ、ジャケットが何パターンもありますよね。
以前の日本盤CDは、好きなジャケットを選べるようになってます。
ほら。(ジャケット広げる)



カメオ:どれをチョイスするかで、相手の心理がわかるという・・


女子部:絶対わかりません。


aoi:最近再発になったやつはこのロマンチックな白人女性写真バージョンですよね。


女子部:みなさんはどれがお好みですか?
好きなジャケットを指差してください。






せーの・・





え?これですか?


のび:当然です。この衣装、最高です。これ以外は認めません。


女子部:モテなそうですが・・・・


のび:そんなこたぁ、どうだっていいんです。ああっ!もふっ!(身悶え再開)


aoi:そう、もうどうだっていいんです!んん・・(身悶え)


カメオ:でもモテたいんです!ああっ!(身悶え)


女子部:・・・また妙な雰囲気になってきましたのでこの辺で中締めにしましょう。
まだ音盤は大量に残ってますが、そろそろ本日のまとめをお願いします。
皆さんにとってのスウィート・ソウルとはどんなものでしょうか。



aoi:口説くのには向かない音楽でした。


カメオ:基本的には男の自己陶酔のための音楽でした。


のび:裏声のマッチョな女々しさが好きというマイノリティ女子、今すぐコンタクト・アス!









この後も延々と悶絶ソウル談議は続きました。
本当に口説ける音楽とは何なのか。探し求める旅は始まったばかりです。




(文責:No.6 中野カメオ / No.3 bunyayurisses)